[対象: 中〜上級]
ペンギン・アップデートの影響を受けてその後回復に成功した事例は存在しないのではないだろうか?
こんな質問がWebmasterWorldに投稿されました。
フォーラム管理者は存在しないようだとコメントしています。
WebmasterWorldのすべてのスレッドを僕はチェックしていますが、管理者の言うように少なくともWebmasterWorldではリカバリに成功したというレポートは挙がってません。
僕が知っているなかでペンギン・アップデートから生還したと断言できる唯一の事例はこれです。
SMX AdvancedのときにGoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏も認めています。
あとはこの辺りです。
- March of the Penguins, Which Led to a Friendly Panda and Finally a Recovery | Search Engine Journal
- How I Recovered From Google Penguin (Twice) | Search Engine People | Toronto
ただトラフィックが戻ったタイミングや詳細なデータが出ていない点で信頼性に欠けます。
トラフィックが戻ったタイミングは重要です。
ペンギン・アップデートは間隔の空いた手動での更新になります(手動といっても人間が計算するわけではありません。準備が整った段階で人間の操作によって実行されるということです)。
これまで1度しか更新が行われていません。
現地時間の5月26日のことでした。
ペンギンによって大きくランキングが下がったと思われるサイトでその後トラフィックを回復させたサイトをいくつか知っていますが、回復と更新のタイミングが一致しないものも多いのです。
となると、ペンギン・アップデート以外の要因が絡んでいることも考えられます。
下のキャプチャは昨日紹介したツールを利用したグラフです。
上はペンギン・アップデートの導入で影響を受けたサイトで下は初回の更新で影響を受けたサイトです。
ともに回復できていません。
WebmasterWorldのフォーラム管理者は次のようにコメントしてます。
I think there’s plenty more going on with Penguin than a major adjustment to the link equity calculations. That alone would not require the complexity or calculation overhead of an independent algo. In fact, there is a lot of evidence that link equity adjustment is going on in an effort that is independent of Penguin.
リンク価値の計算に対しての重要な調整以上のもっと多くのことがペンギンでは起こっていると私は考えている。調整だけだったら、独立したアルゴリズムとしての複雑さや計算のためのオーバーヘッドを必要としないはずだ。実際に、ペンギンとは無関係のリンク価値の調整への取り組みが行われている証拠がある。
ペンギン・アップデートが手動更新になっている理由は計算処理に多大なコンピュータのパワーが必要だからです。
リンクを評価するアルゴリズムは他にもすでに存在するはずで、それらは最新のデータが随時検索結果に反映されています。
ペンギン・アップデートが見ている主要な要因はリンクであることに疑いの予知はありません。
これはMatt Cutts氏も明言しています。
@joshbachynski saw your comment on Barry’s post. Certainly links are a primary area to monitor. Been true all this year; expect to continue.
— Matt Cuttsさん (@mattcutts) 8月 16, 2012
ですが、リンクがすべてではないということをWebmasterWorldのフォーラム管理者は確信しているわけです。
ペンギン・アップデートはもともとウェブスパムを排除するためのアルゴリズムなので、不正なリンクだけを見ていないと決めつけるほうが理にかなっていませんね。
ランキングを不正に上げようとする取り組みが見つかってペンギン・アップデートに捕獲されたサイトを運営している人は、修正作業に必死のことでしょう。
大きな変動をもたらすと予測される次回のペンギン・アップデート更新がいつになるかはまったく不透明です。
参考になるケーススタディがないのがもどかしいところですが、回復のための取り組みが実を結んでリカバリ事例になることを祈っています。