E-A-TスコアもYMYLスコアもGoogle検索には存在しない、コアアルゴリズムはベイビーアルゴリズムの集合体 #PubCon

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E-A-T スコアや YMYL スコアというような指標を Google は内部的に持っていない。E-A-T や YMYL というのは、アルゴリズムをわかりやすく概念化したものだ。

10 月 7 〜 10 日に米ラスベガスで開催された Pubcon Pro Las Vegas 2019 の Q & A セッションで Google の Gary Illyes(ゲイリー・イリェーシュ) 氏はこのようにコメントしました。

Gary and Jennifer
左は Google の Gary Illyes 氏、右はモデレータの Jeniffer Slegg 氏

E-A-T も YMYL も概念

「E-A-T スコアというものは存在するのか?」という質問にゲイリーは冒頭のように答えました。

E-A-T (Expertise/Authoritativeness/Trustworthiness) にしても YMYL (Your Money, Your Life) にしても、そういった指標を単独で計測する単独のアルゴリズムが存在するわけではありません。

評価ガイドラインに基づいて検索品質を評価する際に、評価者にとってアルゴリズムが求めるものをわかりやすく概念化するために用いているのが E-A-T や YMYL という用語です。

コア アルゴリズムはベビー アルゴリズムの集合体

またゲイリーは、コア アルゴリズムを説明するのに面白い比喩を使いました。

アルゴリズムはいくつものコードで構成されています。
その中で最小の働きを持つ 1 行のコードは言わば “Baby Algorithm”(赤ちゃんアルゴリズム)であり、コア アルゴリズムは何百万という Baby Algorithm の集合体で構成されています。

Baby Algorithm が一体となってシグナルを見つけ、ランキングを決定します。

こうした全体的なコンピュータプログラムの仕組みを評価者にわかりやすく説明するために、E-A-T と YMYL という概念を用いているのです。

繰り返しますが、E-A-T も YMYL もそれ自体はアルゴリズムではありません。

コア アルゴリズムは1つのシグナルだけを見てはいない

たとえば、Speed Update はモバイルページの表示速度を見るアルゴリズムです。
もし影響を受けたなら、表示速度を改善すれば対処可能です
表示速度の改善にはさまざまな方法があるとしても、方針は明確です。

対して、コア アルゴリズムは、何百もある Baby Algorithm の集まりですから、何か 1 つをやれば対処できるというものではありません。

同じように、E-A-T や YMYL を高めようと試みても、そもそもそういった指標はありません。
これらの概念化したシグナルをいくつものアルゴリズムで判断しています。

コア アップデートの対処法を聞かれたときに「全体的に品質を改善して、信頼性を高めるような施策をするしかありません」と説明すると、抽象的だと怒られます💦。
ですが、ゲイリーの説明を聞くと、明確な対処方法がないことが理解できるはずです。

コア アルゴリズムは何百もの小さなアルゴリズムから構成されるアルゴリズムの集合体です。
E-A-T はそうしたアルゴリズムを概念化したものです。