[レベル: 中級]
検索結果にリッチスニペットが表示されるには3つの基準を満たしている必要があります。
- 構造化データを技術的に正しく実装していること
- リッチスニペットのポリシーに一致していること
- サイト全体の品質が高いこと
構造化データを正しくマークアップしているのにリッチスニペットが出ないのはなぜ?
schema.orgを正しく実装して1年以上たちますが、リッチスニペットが検索結果に出てきません。どうしてでしょうか?
こんな質問が英語版のウェブマスター向けオフィスアワーで出ました。
主催者のGoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)は次のように説明しました。
リッチスニペットに対しては、基本的に、3つの基準を私たちは設けている。
まず技術的に正しく実装していることだ。
マークアップが正しいことをツールを使ってもし確かめているのであれば、あなたのケースはこれには当てはまっていると思われる。次はリッチスニペットのポリシーに一致していることだ。
たとえば(リッチスニペットの)スパムレポートに基づいて目視で審査するときには、構造化データのマークアップの使われ方がポリシーに一致している必要がある。例を挙げると、商品詳細ページにレビューを掲載しているのであれば、そのレビューは、そのページの主要なコンテンツとしてその商品に特定したものでなければならない。いろいろな(商品を含めた)レビューであってはならない。最後に、ウェブサイトの全体的な品質も私たちは見ている。
サイトの品質があまり高くなければ、リッチスニペットに関してはより慎重になるかもしれない。「このサイトを信用していいのか確信を持てないから、検索結果でリッチスニペットをあまり表示したくない」と私たちは考えるだろう。この3つが私たちが注意して見ようとしていることだ。
リッチスニペット表示に必要な3つの基準
ミューラー氏によれば、リッチスニペットが表示されるには次の3つの基準を満たしている必要があるとのことです。
- 構造化データを技術的に正しく実装していること
- リッチスニペットのポリシーに一致していること
- サイト全体の品質が高いこと
構造化データを技術的に正しく実装していること
構造化データを正しく実装しているかどうかは、構造化データテストツールで検証できます。
警告が出たときには記述を見直して修正します。
不適切なところがはっきり目に見えるので、構造化データ自体のエラーは認識しやすいと言えます。
リッチスニペットのポリシーに一致していること
リッチスニペットのポリシーに一致しているかどうかは、リッチスニペットのガイドラインで確認します。
ただし英語版しか公開されていません。
日本語版がないのは困りますね。
ミューラー氏が例に出したのは、レビューのリッチスニペットです。
レビューのリッチスニペットは原則的に、個々のアイテムに対して設定します。
カテゴリレベルのアイテムに対しては設定してはいけません。
たとえば、旅行サイトの宿泊施設のページを例に挙げてみます。
イタリアのミラノにあるAAAとBBB、CCCの3つのホテルを紹介していたとします。
AAAとBBB、CCCのそれぞれのホテルに対して個別にレビューや評価を構造化データでマークアップできます。
しかし、AAAとBBB、CCCをまとめて「ミラノのホテル」に対してマークアップしてはいけません。
あくまでも、個々のアイテムに対して評価やレビューはマークアップします。
ポリシーに関してはほかにも、目に見えるものを構造化データでマークアップしなければならないという点にも注意が必要です。
特にJSON-LDはブラウザには表示されないので、やろうと思えばHTMLコードのなかにいくらでも好きな schema.org を設置できます(ブラウザに表示されなくても記述可能な一部例外あり)。
原則として、ユーザーの目に見えるものに対して構造化データを用います。
構造化データのガイドラインに関しては、過去記事も参照してください。
サイト全体の品質が高いこと
ウェブサイトの品質もリッチスニペットの表示に関係してきます。
リッチスニペットが表示されないときには、これがいちばん厄介かもしれません。
品質をチェックするツールがあるわけでもないし、「こうすれば必ず高品質とみなされます」というマニュアルをGoogleが公開しているわけでもありません。
さまざまな側面からサイトを診断しなければならないでしょう。
リッチスニペットにかぎらず、高品質なサイトを目指すことは僕たちにとって永遠のテーマですね。
そうはいっても、技術的に正しく実装しているしポリシーには違反していないのにリッチスニペットが表示されないというのであれば、サイトの品質がGoogleが求める基準に達していないということになるでしょう。
品質がリッチスニペット表示にどのように関係してくるかは、過去記事も参照にしてください。