Googleにペナルティを受けた時の再審査リクエストについて検索品質チームのティファニー・オビロイが詳しく語る

[レベル:全員]

Googleの検索品質チームに所属するTiffany Oberoi(ティファニー・オビロイ)さんが、Stone Temple Consultingのインタビューを受け再審査リクエストについて詳しく答えました。
※Matt Cutts氏も検索品質チームに所属しています。

Googleにペナルティを受けた時の再審査リクエストについて役に立つ情報がたくさん語られています。

ちょっと長いですがすべて訳したので参考にしてください。

手動ペナルティの種類について

スパム違反のタイプに応じてさまざまな手動対処がある。

違反を1つだけ犯した良いサイトとひどいウェブスパムは同じようには扱わない。

明らかにブラックハットな手段をやっているサイトは完全にインデックス削除されるかもしれない一方で、そこまで深刻なガイドライン違反をしていないサイトは単に順位を下げられるだけかもしれない。

サイトがインデックスに残っているかどうか確実に調べるには、サイト名などブランド名で検索するよりもドメインを指定したsite:検索を使うといい。

ただしインデックスされない理由は他にもたくさんあり得るから、検索結果に出なかったらからといってそれがスパムの問題だとは限らない。

アルゴリズムによる自動ペナルティについて

スパムアルゴリズムは、基本的にはウェブスパムを見分けるためにエンジニアが書いたコンピュータプログラム。

適用範囲が広くなるから、なるべくアルゴリズム的なアプローチをウェブスパム対策に試みている。

Googleのランキングは、アルゴリズムが発見したものをベースに自動的に調整される。
したがって、新しいスパムにもすぐに対処できる。

明確に言うと、スパムアルゴリズムを「ペナルティ」とはGoogleは考えていない。

Googleのランキングは特定のクエリに対して最適な結果を返すためにたくさんのアルゴリズムが一緒になって働いている。
スパムアルゴリズムはそのシステムのうちの1つに過ぎない。

一般的には、Googleが「ペナルティ」、あるいはもう少し正確に言うと「手動でのスパム対応(manual spam actions)」について話したとしたら、それは手動スパムチームが介入してサイトに対処したことを示す。

自動ペナルティのときの再審査リクエストについて

アルゴリズムの変更によってサイトが影響を受けたときは、再審査リクエストを送信しても意味はない。

でも普通は、それがアルゴリズムによるものなのか手動によるものなのかサイト管理者には分からないだろうから、スパム違反をきれいして再審査リクエストを確実に送信することがもっとも重要。

ウェブをクロールして再インデックスしたときに、スパム分類子(スパムを見分ける仕組み)がサイトに変更があったかを再評価する。

通常は、スパムサイトがきれいになってしばらくした後、(たとえ再審査リクエストがなかったとしても)アルゴリズムがサイトを再処理して、それ以降はスパムとしてもはやフラグを立てられなくなるだろう。

再審査リクエストはパンダ・アップデートで影響を受けた時も有効か?

パンダ・アップデートは質の低いサイトよりも質の高いサイトを上位に出すことを目的としたアルゴリズム変更。
再審査リクエストはアルゴリズムがサイトをどのように見るかを変えるものではないから、このケースでは役に立たない。

再審査リクエストが受け付けられた後に再び同じペナルティが適用されることはあるか?

また同じ悪さが繰り返されればあり得る。
たとえばハッキングを受けて修正したけど、セキュリティホールが残ったままでまたハッキングを受けたときなど。

再審査リクエストを送信することによるデメリットがあるか?

(ペナルティを受けていないのに再審査リクエストを送信したことにより)再審査リクエストを処理する過程でスパムが発見されるということは理論上はあり得るが、最終的な目的はそこにはない。

再審査リクエストを精査する人間が何よりもまず初めに感心を払うのは、品質ガイドライン違反が修正されているかどうか。

違反するような問題がサイトあるかもしれないと考えて、(それが見つかると嫌だから)再審査リクエストを送るのをやめるというのは勧めない。

ただし再審査リクエストを送る前に、Googleのウェブマスターガイドラインに違反するところが完全にないことを確実に見直したほうがいい。

再審査リクエストの適切な書き方

  1. 具体的に書く。
    Googleのウェブマスターガイドラインをよく読んで、何が問題でそれをどのように修正したのかを説明する。
  2. 包み隠さず正直に話す。
    「私のサイトはガイドラインを遵守しています」と書くのではなく「ホームページのボトムに隠しテキストを入れてました。でももう取り除いています。」と書いたほうが手助けになる。
    もともとの問題が何であってそれをどのように変えたかが分かるほうがいい。
    詳細な情報を提供すればするほど良い。
    その方がGoogleは状況を完全に評価できる。
  3. スパムなテクニックが再び起こらないことをGoogleは望むから、同じことを繰り返さないように、ポリシーの変更などどんな対応をするかを詳しく説明してもらえるとありがたい。
    そうすればスパムなテクニックは削除されて再び行われることはないだろうとスパムを精査する人間は確信が持てる。
  4. 広告にいくら費やしているかに触れない。
    再審査リクエストを処理しているチームが気にするのは検索品質だけ。
    広告を買っているとか他のGoogle製品のパートナーだとか顧客だとかは、再審査リクエストにおいては助けにならない。
  5. スパム問題の影響を受けていないウェブマスターから再審査リクエストをたくさん受け取る。
    なので、他に考えられる理由がないかも詳しく調べてほしい。
    Googleウェブマスターツールをチェックしてクロールエラーが出ていないかとか、robots.txtでGooglbotをブロックしていないかとか、そういうことも見るようにすべき。

再審査リクエストを送信した後のGoogleからのリアクションについて

通常は、再審査リクエストを受け取ったときと処理が始まったときに再度ウェブマスターツールにメッセージを送る。

フィードバックが欲しいとたくさんの要望をもらっているから、もっと詳細な情報を提供するような実験を現在行っている。

たとえば、再審査リクエストに基づいてペナルティを解除したと伝えることがあるし、まだガイドラインに違反していると知らせることもある。
(まだ違反していることは)聞きたくないことかもしれないが、スパム問題が実際に残っているとしたら何が原因か診断するのに役立つだろう。

ほとんどの場合、手動のスパム対処をあなたのサイトはまったく受けていないとウェブマスターたちに伝えることができている。
これにより、ウェブマスターは何度も再審査リクエストを送信してどうして結果がでないんだろうと不思議に思うのではなく、別のことに注意を向けることができるはず。

再審査リクエストを送っても何も反応がないときは、また送り直すべきか?

通常は送らなくていい。

リクエストを処理するには数日から数週間かかる。
変更が効果を表すにはさらに時間がかかるときもある。
特にサイトの再クロール・再処理が必要な時だ。

リクエストを受け取った後に確認メッセージを送る。
そのメッセージを受け取っている限りは、リクエストは審査の順番待ちに入っている。

短期間のうちに複数の再審査リクエストを送ることは推奨しないし、1つのサイトを一回ずつではなく大量のサイトの再審査リクエストを一度に送信することも推奨しない。
そんなことをしたら、悪意のある行動だと受け取ることもある。

しかし2〜3ヶ月たってもリクエストが処理されたというフォローアップのメッセージが送られてこなかったら、その時点でもう一度送信するのは構わないだろう。

長い時間をかけて、再審査リクエストのプロセスは大幅に向上してきた。
評価を大きく進歩させてきたし、再審査リクエストの評価プロセスは前よりも透明性を増してきた。
大半のウェブマスターが手動対処によって影響を受けたかどうかが分かって再審査リクエストの調査の結果を知ることができることに、とても興奮している。

以上です。

Googleのペナルティの種類と再審査リクエストについてはこちらの記事も読み直すといいです。