Googleは、1ページあたりのリンクの数をクローリング可能な範囲という技術的な側面から100以内に抑えるように以前は推奨していました。
しかし現在は技術の進歩もあり、100という具体的な数字をガイドラインから削除し「妥当な数に抑え」ると修正しています。
※細かないきさつは、Web担当者Forumに僕が掲載した記事を読むと分かります。
ただしGoogleが推奨する上限数がガイドラインから消えたと言って、無制限にリンクを設置すると問題が起きそうです。
WebmasterWorldのGoogleフォーラム管理者のtedsterが次のようにコメントしていました。
When I build sites I try to keep internal links under 50 per page as a rule of thumb – and going beyond 100 or so is a danger signal, IMO. Used to be Google wouldn’t even crawl a page beyond that level. Today they do, but as described in the Mega Menu thread, it can create significant ranking problems.
tedsterは大まかな目安として、1ページあたりの内部リンクの数を50以内に抑えているそうです。
もちろんtedsterが言っているからといってそれが絶対に正しいとは言えません。
でもたとえば「メガメニュー」と呼ばれる100本をはるかに超えるような大量の内部リンクをナビゲーションメニューに設置したことが原因で、ペナルティにもとれるような大きなランキングの下落に見舞われたケースがいくつものサイトで観測されています。
Web担でピックアップしたビデオでGoogleのMatt Cutts氏は、1ページに5,000本もリンクを設置したらリンクファームやリンクの詰め込みに見られるかもしれないと注意を促しています。
ブログのウィジェットとして「タグクラウド」があります。
タグクラウドもキーワードスタッフィングとしてみなされる危険があるので、Matt Cutts氏は利用を推奨していません。
技術的な制限がなくなったといっても1ヶ所に集中して内部リンクを設置するのは避けたほうがよさそうです。
特にSEOを意識してキーワードをアンカーテキストにしている場合はなおさらですね。
またリンクの数が多ければ多いほど、リンク先ページに配分されるPageRankが少なくなります。
今のPageRankの仕組みはリンク先にPageRankを均等に分けるのではなく差を付けていると思われますが、それでもリンクの数が多くなれば受け渡すPageRankの量は減ってしまうでしょう。
トップページやサイトマップページは必然的にリンクの数が多くなりがちです。
でもトップページなら重要なページだけに絞るとか、サイトマップページなら複数に分割する、などして“50以内”のように自分なりの目安を決めて数を抑えたほうがよさそうです。
※サイトマップページの場合は、noindex/follow metaタグを使う方法もありましたね。
必要なリンクだけを設置するということは、ロボットのクローリング効率化やPageRank配分のコントロール、ペナルティ回避などSEOに役立つし、なによりもユーザーの使いやすさにも大きく貢献するはずです。
1,000本、2,000本のリンクで埋め尽くされたページや、一カ所に100本、200本のリンクの塊があるページを僕は見たいと思いません。