[レベル: 上級]
この記事では、先週参加してきた Google I/O 2017 で取り上げられた Twitter の PWA 対応の成功事例を紹介します。
PWA版 Twitter ―― Twitter Lite ここが新しい
Twitter は PWA版のモバイルウェブである、Twitter Lite を 4月にリリースしました。
1か月経過して、従来の通常のウェブ版 Twitter と比較して次のような違いが見られたそうです。
- 毎日、100万のアクセスがホーム画面アイコン経由
- URLバーを非表示、ネイティブアプリのようなフルスクリーン画面
- ロード時間が30%削減
- スクロールはアプリのように滑らか
- いいねやリツイートなどのプッシュ通知も来る
- データセーブで転送データ量を70%削減
インストールは極小サイズ
PWA はネイティブアプリではないのでインストールに必要なデータ量が非常に小さくて済みます。
- Androidアプリ――23MB
- iOSアプリ――100MB
- PWA――0.6MB
僕の端末ではわずか 0.1MB 程度でした。
僕たちにはほとんど問題にならないかもしれませんが、アプリのサイズは特に新興国では重要です。
端末の容量が限られているので、残りのストレージを常に気にしながらアプリをインストールしなければなりません。
Twitter Lite で得た成果
PWA 版 Twitter Lite に移行して次のような成果が出ています。
- セッションあたりの閲覧ページ数が 64% 増
- ツイートの投稿が 75% 増
- ホームスクリーンアイコンからのアクセスは日々 100万
3G や、エリアによっては 2G がまだまだ現役の新興国で PWA 版 の Twitter Lite は大きな成果をあげているようです。
とはいえ、僕たち日本でも Twitter Lite は非常に使い勝手がいいと僕は感じています。
僕は、Twitter Lite が公開されてから 1週間ほどで ネイティブアプリをアンインストールしました。
今は、Twitter は PWA になったウェブで利用しています。
ネイティブアプリ と使い勝手はまったく変わりません。
Google の Duncan Wright(ダンカン・ライト)氏は、次のようにツイートしていました。
Twitterアプリをアンインストールしてみた。ウェブ版だけだとどんなふうか確かめてみる。
Just deleted my Twitter app and am going to see what web only is like.
— Duncan Wright (@dunc_Can) 2017年5月22日
ダンカンさんは、日本の Googleで AMP や PWA などの新しい機能の導入を、主に大手企業を対象に支援しています。
今回の Google I/O にも当然参加しています(日本語はペラペラです)。
Twitter Lite をきっと気にいるはずです。:)
すべてのツイートをAMPページへ
PWA とは別に、Twitter はもう1つ大きな改良を加えました。
すべてのツイートで AMP をサポートしました。
これまでは、モーメント (Moments) でシェアされたツイートのなかの URL 先のページが AMP 対応していれば AMP 版を表示していました。
今は通常のツイートも AMP ページを表示します。
わかりづらいかもしれませんが、右のページは AMP ページです。
ただ、AMP キャッシュからではなく、AMP ページを直接開きます。
AMP ページだけでも通常ページよりはずっと高速ですが、AMP のパフォーマンスを最大限には引き出していません。
どうしてキャッシュを使わないのでしょうね?
いずれにしても、Twitter が AMP をフルサポートしたことで AMP へのトラフィックが今後は増えていくことが予想されます。
Twitter のようにウェブのプラットフォームになっているサイトは、これからは続々と PWA& 対応していきそうな勢いです。
Google I/O 2017 で紹介された Twitter のケーススタディは録画で視聴できます。