TwitterがAMPのサポートを開始、まずはMomentsでシェアされたコンテンツに対して

[レベル: 上級]

TwitterがAMPのサポートを始めたことを公式ブログでアナウンスしました。
Twitterアプリで閲覧する「Moments」内でのリンクで機能します。

Momentsとは?

すべてのツイートでAMPコンテンツを利用できるわけではありません。
TwitterがAMPコンテンツをサポートするのは「Moments(モーメント)」のなかでURLが共有されたコンテンツです(もちろん、そのコンテンツがAMP対応している必要がある)。

Momentsとは、Twitterが昨年10月に米国で始めたサービスです。
詳細を、Twitterの日本語版の公式ブログが紹介しています。

膨大なツイートの中からTwitterならではの体験を探しだすのは簡単とは言えません。特定のアカウントをフォローしている人だけしか体験できない場合もあります。そこで、 今回、これをもっと簡単に体験できる方法を考えました。それがモーメント機能です。

モーメントは、アカウントをフォローしている、いないにかかわらず、Twitter上で起きているおもしろそうなことや、興味深いことを、アイコンをクリックするだけですぐに表示できるようにする機能です。

Twitterのキュレーターや大手ニュースパブリッシャーのパートナーが、新しく人々が興味を持つであろうツイートをいくつかまとめてシェアするサービスがMomentsです。
フォローしている・していないにかかわらず、全ユーザーにその“まとめツイート”が送信されます。
フォローしていなかったら出会えなかったであろう、すばらしいコンテンツ(ツイート)を紹介する仕組みととらえてください。

Momentsをシェアしたところです。
⚡マークがMomentsの印です。

TwitterのMoments

Twitter版AMP

MomentsのなかにThe Guardian(ザ・ガーディアン)のニュース記事がありました。
Moments内のThe Guardianの記事
The Guardian はAMP対応しているニュースパブリッシャーです。

タップすると、AMPページが開きました。
The GuardianはサブドメインでAMPページを公開しているのですぐにわかります。
The GuardianのAMPページ

ここで「あれっ?」と思った人は鋭いです。
たしかにAMPページなのですが、ブラウザで開いています。
AMPはブラウザで開くのではなく、AMPキャッシュからコンテンツを返すします。
超高速化を実現する仕組みの1つです。

本来なら、Twitterアプリから移動せずにThe GuardianのAMPコンテンツがキャッシュから返され、Twitterアプリのなかで表示されるはずです。
AMPの動きになっていません。

理由がわかりません。
時間を見つけて調べてみます(何かわかれば記事を更新します)。
【UPDATE】「アプリ内ブラウザを使用する」のチェックを外していたのが原因かとも疑ったのですが、入れてもTwitterアプリ内蔵のブラウザで表示されるだけでした。
【UPDATE 2】TwitterのAMPはキャッシュを現状では使っていないようです。キャッシュはAMPの特徴の1つですが、必ずしも必須ではなく、AMPページだけでも高速な表示は可能です。

ちなみに、同じ記事に通常のページでアクセスするとこのように見えます。
The Guardianの通常ページ

【UPDATE 3】
MomentsからもAMP CDNで記事を表示しているのを確認しました。
CDNから返されたMomentsのAMP対応記事

AMPはオープンソース

TwitterがAMPに対応しました。
GoogleとTwitterが中心となってスタートしましたが、AMPはGoogleやTwitter独自の仕様ではなくオープンソースです。
わかりやすく言えば、だれでも利用できます。

AMPのようにモバイルで素速くコンテンツを入手す仕組みとして、FacebookのInstant Articles(インスタント記事)やAppleのApple Newsがあります。
しかしこれらは、FacebookやApple独自の仕様です。
FacebookアプリやApple Newsアプリのなかでしか機能しません。
AMPは幅広く普及させることを目的としているので仕様を公開しています。

高速化の障害となる解析や広告配信購読・課金などにもInstant ArticlesやApple Newsにはない柔軟性を持たせるように努力しています。

PinterstやLinkedinもAMP対応に取り組んでいます。

今のところMomentsは米国だけでの提供なので、日本語のコンテンツが採用させる可能性は極めて低いでしょう。
したがって、TwitterのAMP対応は僕たちにはすぐには関係しません。

そうはいっても、GoogleやTwitterなどのサービス事業者と僕たちコンテンツ発行者が自由に使えるAMPはやはり今後も注目です。