シンジケーションの配信元コンテンツをGoogle検索で優先させたいならnoindexを使え

[レベル: 中級]

Google 検索広報の Danny Sullivan(ダニー・サリバン)氏がシンジケーションについて、再びアドバイスしました。

シンジケーションは、記事を他のサイトに配信する仕組みです。
配信元ではなく配信先の記事がしばしば上位表示してしまう(つまりオリジナルではなくコピーが上に来てしまう)ため、SEO たちの頭を悩ませます。
Discover でも配信先がフィードに出てきてしまい、配信元のトラフィックを奪ってしまうことがあります。

noindex が Google の推奨

ことの発端は、Lily Ray(リリー・レイ)氏の質問です。

ある記事がパートナーウェブサイトにシンジケートされ、Google がパートナーを canonical として選択した場合(パートナーサイトでオリジナルソースに canonical が設定されていても)、それはすべての SEO 価値がパートナーの URL に集約されるということでしょうか?

たとえば、グループからのリンクシグナルやUX シグナル、ソーシャルメディアシグナルなどが、Google が選択したcanonicalに統合されるということでしょうか?

そして、こうしたことが起こるたびに、オリジナルサイトはその SEO 価値を失うという意味で、「機会費用」を払うことになるのでしょうか?

まず、John Mueller(ジョン・ミューラー)氏が返信します。

それは複雑な話で、あなたが聞いていることのすべての要因が私たちが必ずしも使っているものとは限らない。一般的に、私たちが canonical として認識したページは、私たちのランキングシステムによって最も評価される可能性が高いページになるでしょう。

続けて、サリバン氏が割って入り、やり取りが始まります。
多くのスレッドが入り乱れているので、発言をまとめると次のようになります。

ウェブサイトがシンジケーションパートナーに順位を奪われないことを望むのであれば、再発行されたコンテンツに noindex を使用するよう要求すべきだ。noindex は、Google がページをインデックスして検索結果に表示しないように指示する命令だ。これにより、オリジナルコンテンツは常にシンジケートされたコピーよりも上位に表示する。

重複ページまたは類似ページの優先バージョンを Google に示唆する canonical の使用は、シンジケーションコンテンツでは信頼できない。これは、canonical はほぼ同一のページ向けに設計されており、シンジケートされたコピーはレイアウトや広告、リンクなどで大きく異なる可能性があるためだ。Google が常に canonical の指示を尊重するとは限らず、代わりにシンジケーションパートナーの URL からランキングシグナルを集約する可能性がある。

サリバン氏はまた、シンジケーションコンテンツに関してよくある質問や懸念にも答えました。

誰かが許可なくウェブサイトのコンテンツを使用しても、Google がそれを canonical と見なす可能性は低い。また、リンク獲得を目的としてコンテンツをシンジケートしている場合、別の Google ポリシー(スパムポリシー)に違反する可能性がある。Google はオリジナルコンテンツを上位に引き上げるための多くの取り組みを行っており、オリジナルな報道の重要性についてブログ記事で説明した。

一部のウェブサイトはシンジケーションパートナーを検索結果に表示させることでより広いオーディエンスに到達したいと考えていることは認識している。これは彼らが選択できることだが、そのトレードオフに注意すべきだ。また、シンジケーションコンテンツが引き起こすランキング問題に対処しなければならない SEO担当者にも共感はする。いずれにしても、Google の明確なガイダンスに従い、それが優先事項であれば noindex を使用することを望む。

サリバン氏のアドバイスまとめ

サリバン氏のアドバイスを箇条書きでまとめます。

  • シンジケートパートナーに順位勝ちたいなら、canonical ではなく noindex を使う
  • コンテンツが大幅に違うと、canonical はサイトをまたいで機能しなくなる
  • noindex は、シンジケートされたコピーを検索に表示させないと明確に伝える
  • canonical は手がかりだが、noindex 明確な指示
  • Google はシンジケートされてもオリジナル記事を優先的に表示するように取り組んでいる
  • 配信先との noindex や canonical の合意で苦労してる SEO の苦労は理解しているつもり

結局は、シンジケーションで配信元である自分の記事を確実に上位表示させ Discover に出したいのであれば、noindex を使いなさいということです。
Google の仕組みなんだから受け入れなさい、というのが本心でしょうか。

canonical ではなく noindex が推奨であることを Google は昨年 5 月に明確に発信しました。
オリジナル記事を優先させたいのであれば、現状ではこの推奨に従うほかありません。

仮に、配信先(コピーコンテンツ)が優先表示されていても、そこからも読者からメールを送っってもらったり、ソーシャルでシェアしたもらったりできるのだから、もっと広い層にコンテンツを届けるという点では問題ないのではともダニーは述べています。

配信先にアクセスを奪われたくないのであれば、シンジケーションを止めるしかありません。
悩ましい二者択一です。