[レベル: 上級]
管理しているサイトがモバイル ファースト インデックス(以下、MFI)へ移行したのかどうかを調べる方法として、サーバーのログファイルの監視を Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏は推奨しました。
ログファイルを見て、スマートフォン版 Googlebot の活動量が PC 版 Googlebot の活動量を逆転し上回っているようであれば、MFI に切り替わっている可能性が濃厚です。
現状: PC 版 Googlebot > スマホ版 Googlebot ⇒ MFI後: PC 版 Googlebot < スマホ版 Googlebot
プライマリのインデックスに PC 向けページが使われている現状では、PC 版の Googlebot のアクセスが多くを占めています。
対して、スマートフォン版(モバイル版)の Googlebot のアクセスは PC 版よりもずっと少なくなっています。
大まかな数字だとは思いますが、ミューラー氏は、「PC 版 Googlebotが 80% で、スマホ版 Googlebot が20%」だと発言しています。
これが、MFI に切り替わりモバイル向けページがプライマリのインデックスになると、逆転します。
つまり、「スマホ版 Googlebot が 80% で、PC 版 Googlebot が 20%」になるのです。
“主”になるページのほうのクロール頻度が高いのは論理的なことです。
モバイル向けページをインデックスする MFI においては、モバイル向けページをクロールする Googlebot のほうが頻繁にアクセスしてくるのは納得がいくでしょう。
MFI になっているかどうかを知りたければログファイルをチェック
MFI は準備ができたサイトから段階的に導入してく予定で、全サイトが完全に切り替わるまでには2〜3年はかかるだろうと Google は見積もっています。
しかしながら、全体の数パーセントのサイトは MFI への切り替わりが進んでいるしているとも言われています。
これが、MFI への最終的な移行が完了していることを指すのか、それともテストの延長線上なのかは定かではないとしても、一部のサイトにおいては MFI が実際に導入されていることは確かです。
自分のサイトが、MFI へと切り替わっているかどうかを知りたければ、ログファイルをチェックしてみてください。
そして、PC 版 Googlebot と スマートフォン版 Googlebot の活動量を比較してみてください。
スマホ版 Googlebot が PC 版 Googlebot よりもずっと活発にアクセスしているようなら、MFI に切り替わっている可能性が高そうです。
なおヘルプ記事によれば、各 Googlebot のユーザーエージェント名 (UA) は次のようになっています。
PC 版 Googlebot
Mozilla/5.0 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)
Googlebot/2.1 (+http://www.google.com/bot.html)
※まれに使用される
スマートフォン版 Googlebot
Mozilla/5.0 (Linux; Android 6.0.1; Nexus 5X Build/MMB29P) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/41.0.2272.96 Mobile Safari/537.36 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)
ランキング変動は MFI の切り替わりの目印にはならない
最後に補足しておきます。
ランキング変動が起きて、それを MFI の導入が始まったことと結びつける人がいますが、これは MFI を正しく理解できていないように僕は思います。
MFI は順位変動に結び付くランキングアルゴリズムの変更ではありません。
むしろ逆で、順位変動を起こさないように Google は MFI 導入を進めています(「クオリティ・ニュートラル」とゲイリーは表現していましたね)。
MFI に確実に対応していないサイトが多いため、今の状況で MFI を導入すると Google が望まない、大きな順位変動が起きてしまいます。
だから、時間をかけてゆっくりと MFI の導入を進めているわけです。
したがってMFI の導入の動きを知るには、ランキングチェックではなくログチェックがふさわしいのです。
もっとも、MFI の準備がしっかりできているのであれば、少なくとも一般のウェブ担当者が MFI が導入されたかどうかを常に気にかける必要はないとも思いますが。