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MacOS の Safari がプッシュ通知を年内に正式サポートします。
また、iOS と iPadOS の Safari も来年にはサポート予定です。
WWDC22 で Apple が発表しました。
MacOS 13 Ventura の Safari 16 で
プッシュ通知 (Web Push) は、MacOS 13 Ventura の Safari 16 から機能するようになります。
MacOS 13 は 2022 年秋にリリース予定です。
Safari では Apple 独自の Apple Push Notification Service(Apple プッシュ通知サービス)を構成してプッシュ通知を実装することができます。
しかし今後は、
の 3 つの技術を利用したウェブ標準のプッシュ通知をサポートします。
ウェブ標準のプッシュ通知をサポートしている Chrome や Edge 向けに構成した設定が(通常は)そのまま Safari でも機能します。
実装にあたっては、Apple Developer のアカウントは不要です。
だれでも実装できます。
iOS/iPadOS 版 Safari のサポートは 2023 年
最新バージョンの MacOS と Safari という条件は付きますが、デスクトップ版 Safari でプッシュ通知が使えるようになります。
一方で、iOS 版と iPadOS 版の Safari でのプッシュ通知サポートは 2023 年とのことです。
iPhone ユーザーが多い日本では、MacOS よりも iOS でのプッシュ通知サポートのほうが待ち遠しいですね。
Safari のプッシュ通知は UX を考慮
サイト側からタイムリーに通知を送ることができるプッシュ通知はユーザーエンゲージメントの促進に役立つ便利な機能です。
しかしながら、乱用するサイトも多く、むしろ迷惑な機能だと感じるユーザーも少なくありません。
Safari のプッシュ通知サポートに際して Apple はユーザー体験にも配慮しています。
ユーザーからの能動的なアクションが必要
プッシュ通知の可否を問うプロンプトは、クリックやキーボード操作といったユーザーの能動的なアクションがあって初めて出現します。
たとえば、ページ上のベル🔔アイコンを自分でクリックすると、プッシュ通知に登録するかどうかのメッセージが出て、「はい」を選択するとプッシュ通知が有効になるといった具合です。
Chrome のように、ページにアクセスした瞬間にプッシュ通知の許可を促す(ウザい)メッセージがいきなり出現することはありません。
管理しやすく
登録したプッシュ通知は、Mac の設定にある通知センターで管理できます。
Mac ユーザーなら通知センターの使い方には慣れているはずです。
Safari の環境設定からも通知を管理できます。
Chrome では設定の奥底にあって、どこで通知許可を変更するのかを探せない(知らない)一般ユーザーも多そうです。
自動で無効に
適切なタイミングでプッシュ通知を送信することに 3 回失敗すると、違反だとしてプッシュ通知登録が自動で取り消されます。
ユーザーにプッシュ通知に再度登録してもらわなければなりません。
プッシュ通知を乱用するサイトからの通知の乱発から防御できるのはいいですね。
PWA で利用できる機能のなかでも、プッシュ通知は特に利用価値が高い機能です。
まずは、PC 版 Safari からのスタートになりますが、ゆくゆくは iPhone 版 Safari もサポートするとのことで、やっと!です。
Safari(およびほかのブラウザ)でのプッシュ通知の仕様の詳細についてはこちらの技術ドキュメントを参照してください。
Safari の Web Push を紹介する WWDC22 の動画も公開されています。