[レベル: 上級]
Shopping Graph(ショッピング・グラフ)と呼ぶ技術を Google は導入しています。
その仕組みについて、Google I/O 2021 で紹介し、公式ブログにも記事を投稿しました。
Shopping Graph とは
Shopping Graph とは、いわば商品に特価した Knowledge Graph(ナレッジ・グラフ)です。
Knowledge Graph は、人物や組織、場所、モノなどいわゆる “Entity”(エンティティ) が持つさまざまな情報と、エンティティ同士のつながりを格納したデータベースです。
これに対して Shopping Graph は、ウェブ上で販売されている商品が持つさまざまな情報を格納したデータベースです。
たとえば、たとえば次のような商品情報も Shopping Graph は格納します。
- 販売しているウェブサイト
- 価格
- 評価
- 動画・画像
- SKU
- 在庫状況
結びつきがある商品同士の繋がり関係も記録しているでしょう(たとえば、NIKE が販売しているランニングシューズや著名なデザイナーがデザインしたドレス)。
メーカーや販売者から商品の最新情報を直接入手
Shopping Graph の目を引く特徴の 1 つはリアルタイムであることです。
Google で見つけた腕時計を買おうとしてサイトに訪れたら売り切れだったなんていう事態はユーザーの購買体験を損ねます。
AI(人工知能)も利用して、メーカーや販売者、在庫情報などを最新の状態に Shopping Graph は保ちます。
最新の商品情報をリアルタイムで提供できるように、Shopping Graph ではメーカーと販売者から商品情報を直接入手します。
メーカーは Manufacturer Center 経由で、販売者は Merchant Center から商品情報を Google に送信できます。
Wikipedia をメインとして、ウェブ全体やオープンソース、ライセンス契約したソースのデータベースなどから情報を得る Knowledge Graph とは入手方法が異なります。
Shopping Graph のデータベースに登録されている商品は Google の各サービスで表示されます。
- ウェブ検索
- ショッピング タブ
- 画像検索
- YouTube
etc.
Google は次のように述べています。
日々 10 億人のユーザーが Google で買いものしています。ウェブ上の数百万の販売者からの 240 億以上の商品掲載と人々を結びつけることで、Shopping Graph はそうした買いもののセッションをより便利なものにしています。
[ショッピング] タブのリスティング無料化からもわかるように、ショッピング体験の向上にも Google は力を入れています。
ショッピングを対象に Google が提供するすべてのチャンネルを EC サイト運営者は最大限に活用しましょう。