【UPDATE】「QDD」という名称のアルゴリズムが存在することをGoogleが公式・非公式に語っている事実はありません。検索結果に多様性を持たせるアルゴリズムは存在するかもしれませんが、それをGoogleが「QDD」と呼んでいるわけでもありません。この点を踏まえてこの時事を読んでください。
詳細はこちらの記事でご確認ください。
Googleのリサーチ・ディレクターのPeter Novig(ピーター・ノーヴィグ)氏が、Slateとのインタビューのなかで興味深い発言をしています。
Yeah, that’s always a problem. One way we try to counter that is diversity. We haven’t figured out any way to get around majority rules, so we want to show the most popular result first, but then after that, for the second one, you don’t want something that’s almost the same as the first. You prefer some diversity, so there’s where minority views start coming in.
前後の文脈を理解していない状態で直訳しても意味が分かりにくいと思うので、重要ポイントだけを簡潔に訳します。
“Googleはいちばん人気のある結果を1位に表示して、ユーザーが望まないだろうからその次の2位には1位と同じような結果を出さないようにしている。ユーザーは多種多様な情報を求めている。”
気になる点が2つあって、ひとつめは1位に表示するのは「いちばん人気のある(the most popular)」ページだということ、ふたつめは1位とは違う内容を持つページを2位に表示するということです。
「いちばん人気がある」と聞くと、いちばんクリックされるとかいちばんページビュー数が多いとかを考えてしまいます。
ですが、WebmasterWorldのtedsterによればこれは「リンク」のことだろうと推測しています。
被リンクの数のことを”Link Popularity”ともいうので(Popularity は Popular の名詞形)、納得がいきますね。
というわけで、1つめの「いちばん人気があるページを1位表示」は一瞬引っかかりましたが、理解できますね。
Googleのもっとも代表的なアルゴリズムであるリンクが要因で1位が決まります。
では、2つめ「1位と同じような結果を出さずに多種多様(diversity)な結果を出す」はどうでしょう?
これは、“QDD” (Query Deserves Diversity) を意味していると思われます。
“QDF“と見た目が似ていますね。
“QDF”は、”Query Deserves Fressness”の略で、ホットな話題に関する検索がなされたときにより新しいページを上位に表示するというアルゴリズムです。
対して、”QDD” は多種多様、さまざまなタイプのページを検索結果に表示するというアルゴリズムです。
検索者の意図が曖昧なときに適用される傾向にあります。
たとえば「チューリップ」で検索します。
いろいろなタイプのページが出ています。
チューリップという花について説明したWikipediaのページ(バンドも出ている)、チューリップというローカルTV局、チューリップの種類を紹介する図鑑的なページ、チューリップのイベント、チューリップを販売する会社、チューリップの育て方などのページが並びます。
ユニバーサルサーチも含めれば、画像や動画、ニュースも出ています。
「チューリップ」で検索するユーザーが何を探しているのかはハッキリしません。
夏休みの自由研究のためにチューリップという花の生体について調べているのか、チューリップにはどんな種類があるのかを調べているのか、チューリップの植え方を調べているのか、チューリップがどこで買えるかを調べているのか、さまざまな目的が考えられます。
このような多種多様な結果が考えられる検索では、1つの種類に偏った検索結果を返すのではなく、「とりあえずいろいろ出しとけば、どれかは当たるだろ」的な結果を返すのが”QDD” です。
※「」内はちょっと言い過ぎw
“QDD” の存在を知っているとキーワード選定の時にユーザーのインテンション(検索意図)を想定することがいかに大切かが分かってくるのですが、このエントリではそれは置いておきます。
必ずしも多くのリンクが集まった人気のあるページを2位以下に表示するとは限らないということが、Googleの重要人物の口から語られたことは注目に値しますね。
マイナーなサイトでも上位に食い込めるチャンスはあるということです。