[対象: 上級]
Googleで検索に関わる仕事をしていた人は、Googleを辞めた後に、在職時に知ったことを富を得るために利用できそうです。
しかし元Googleの社員はそういったことをしません。
どうしてなのでしょうか?
SEOフォーラムで挙がったこんな疑問を、Barry Shwartz(バリー・シュワルツ)氏が、Googleのサーチクオリティチームで以前に働いていたPedro Dias(ペドロ・ディアス)氏とKaspar Szymanski(カスパー・シマンスキー)氏にGoogle+で直接質問しました。
Pedro Dias氏とKaspar Szymanski氏は、Google退職後にSEOコンサルタントととして現在は活動しています。
Pedro Dias氏は、個人的な理由として次のように返答しました。
元Google社員が検索アルゴリズムについて話さない理由
- サーチクオリティチームのGoogle社員は、スパムをはじめ騙そうとしたり操作しようとすることは何でも嫌っているから。ウェブの本当に”ダーク”なところを見てきた。
- 暴露したら、今の社員と元の社員の間の信頼関係にひびが入ってしまうだろうから。
- 手っ取り早く稼ごうとして働くよりも、長期的な視点でやっていきたいと考えているから。
- (検索エンジンの)システムを操ることとしてSEOをみなしていないから — SEOに取り組む人の多くはそんなふうに言っているけれど。私たちには独自のビジョンがある。私たちは、魔法のような方程式を売ってそれに火をつけるよりも検索エンジニアのように考えビジネスが検索を理解することを手助けしたいと考えている。
- NDAにサインしているから。もっとも上で言ったことほどには重要ではない。
言いたくない
Pedro Dias氏のコメントを読んで、バリーは続けて質問します。
なるほど。だけどアルゴリズムを悪用して「バイアグラ」とかそういった超激戦のキーワードで1位になれるものすごくダークな秘密を知っているか?
Pedro Dias氏はこう返します。
繰り返すが、「XやY、Zを知っている」みたいな詳しいことを言いたくないんだ。
選りすぐりの人たちのグループの一員として、非常に重要で関わりが制限された領域に触れることができたことを私は幸運に感じている。
私が言えるのはこれだけだ。だけど、あなたが聞いたことは私が絶対に詳しく言いたくないことなんだ。80歳になったらひょっとしたら言うかもしれない(そこまで生きればだけど)(笑)
それでも、教えてほしいと引き下がらないバリーに、Kaspar Szymanski氏が説明します。
私たちのクライアントは私たちの専門知識に価値を見出しているのとまったく同じように、私たちの高潔さにも価値を見出しているんだ。
これを見てくれ。w
http://goo.gl/NYYTr1
リンク先は、「what is the first rule of the fight club」(ファイト・クラブのルールは何)の検索結果です。
「ファイト・クラブ」はブラッド・ピット主演の映画です。
Kaspar Szymanski氏はユーモアを込めて、ファイト・クラブで定められた下のルールのことを言っているのでしょう。
- ルールその1「クラブのことを口外するな」
- ルールその2「クラブのことを口外するな」
バリーはやっとあきらめます。
信頼が大事
アルゴリズムのことを知っていれば、お金儲けにいろいろと利用できそうですよね。
でもそうしないのは、自分が昔いた会社とそこでの仲間、そして今の顧客との信頼関係を大事にしているからだそうです。
そして、ひどいスパムを見てきたからこそ、自分はそういったスパム行為をしたくないというのもあるとのことでした。
もし仮にあなたがGoogleで検索アルゴリズムに直接関わる仕事をしていて、Googleを辞めたとしたら、あなたは内部で知ったことを利用しますか?
ま、その前にGoogleに入ることがまず超々困難ですけどね。w