schema.orgによるマークアップが必要な理由

[対象: 中〜上級]

schema.orgの設立と運用に深く携わってるGoogleのRamanathan V. Guha氏に、The Semantic Web Blogがインタビューしました。

そのなかから、検索に関わる一部分を紹介します。

質問は、schema.orgがハミングバードに与える影響はどうなのかというものでした。
しかし検索アルゴリズムの具体的詳細を提供することはしないGoogleの方針のもとに、Guha氏は次のよう回答しました。

schema.orgは検索だけでなくウェブ全体にとって必要

Ramanathan V. Guhaのインタビュー記事

月日がたちますます多くのシグナルが手に入るにつれて、私たちがやることは、そうしたシグナルをランキングアルゴリズムに組み込む方法を見つけ出すことだ。そして、schema.orgのようなものによるシグナルはもちろん役に立つ。

ただ覚えておいてほしいのは、schema.orgを使っているのは今は検索エンジンだけではないということだ。たとえば、PinterestはRich Pins(リッチピン: 商品やレシピ、映画、記事の写真の詳細を構造化データでマークアップできる機能)にschema.orgを使っている。NRD.gov(退役軍人や負傷兵、またはその家族を支援する米政府が組織する団体)では、求人が退役軍人に適しているかどうかを詳細に説明するために、ほとんどの企業がschema.orgでマークアップしている。

もう1つ面白いのは、Google Nowで、もしあなたが不動産を買いたいと思っていることに気付いたら、Zillow(不動産のポータルサイト)のようなサイトからフィードを取得して、あなたにぴったりかもしれないと判断した新築戸建てがあったらカードで表示する。これはぜんぜん検索ではない。これは、あなたの検索履歴やあなたに何を提示したらいいかの理解に基づいた先回りだ。

つまり、構造化データというものはただ単に検索に関するものではなくウェブ全体に関するものだ。あなたの住んでいる街で好きなミュージシャンがたまたまコンサートを開くことを教えたりもできる。私は実際にそんな体験をした。

私はJoan Baezが好きだ。でも彼女がコンサートを開くことはもうないから、コンサートのことを検索するのは意味がない。ところが、私が住んでいるところから2、3マイル離れた小さな学校でチャリティコンサートを彼女が偶然に開いた。私の検索履歴とTicketmaster(コンサートや演劇、スポーツなどのイベントを調べてチケットを購入できるサイト)のschema.orgのマークアップにもとづいて、私はそれを発見できた。

もしこういったことがなかったら、彼女の演奏を探そうなんて絶対に考えなかっただろう。こんなことを起こすために、高品質な構造化データが必要になってくる。

検索だけでなく、構造化データはウェブのいたるところで幅広く使われるようになってきているということですね。
Gmailもschema.orgをサポートしていて、イベントやフライトの予約がそこからできたりレストランや映画を評価したりすることができます。

schema.orgによるマークアップと連動してGoogle Nowがより便利に機能することは、Guha氏も例に挙げています。

もちろん言うまでもなく、検索エンジンにとっても、構造化データによるマークアップは書かれていることの“意味”の理解におおいに手助けになります。

構造化データに頼らずにGoogleがモノゴトの意味を僕たち人間と同じように理解してくれるのが理想だしGoogleはその理想の実現を目指していていますが、そこにたどり着くのはまだまだ先の話になるでしょう。

それまでは、僕たち側からの協力が欠かせません。

schema.orgを確実に習得してサイトに適用しましょう。

なおGuha氏は、参考になる情報をほかにもたくさんインタビューのなかで語っています。
schema.orgに深く関わっている人物なので、ポジショントークがあるのかもしれませんが読む価値はあります。
構造化データの重要性を少しでも感じているならぜひ読んでみましょう。