”Widgetbait(ウィジェットベイト)”という言葉は、聞いたことがないかもしれません。
ウィジェットベイトとは、”Widget(ウィジェット)”で”Linkbait(リンクベイト)”をすることです。
すると今度は、ウィジェットとは?、リンクベイトとは?という話になってくる読者さんもいるかもしれません。(笑)
簡単に説明を。
ウィジェットは、「ブログパーツ」と読んだほうが馴染みがあるでしょうか。
ブログやWebサイトに貼り付けて使うちょっとした部品で、UNIQLOCKなんかが有名ですね。
リンクベイトは、すごく簡単に言うと、意図的に話題・注目を集めることでリンクを集める手法です(詳しくは、Wikipediaで)。
激しい論争をあえて巻き起こすような意見を述べるのは、リンクベイトの一手段ですね。
一歩間違うと、炎上しますが。
ウィジェットベイトは、(たいていの場合)無料でウィジェットを配布して、設置されたサイトからリンクを得ることを指します。
ウィジェットには、コードの中に作成者のサイトへのリンクが仕込まれており、ウィジェットを貼り付けると必然的に利用者のサイトから被リンクを得ることができるのです。
ウィジェットベイトには賛否両論があり、GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏は、有益なウィジェットでかつリンクが挿入されていることを利用者に提示しているのならば、問題はないとコメントしていたようです。
しかし、ユーザーに隠してリンクを忍ばせるのはブラックハットなSEOになります。
Web担当者Forumの連載コーナーにも書いたことがあります。
ブログパーツ配布による隠しリンクでペナルティ
(WebmasterWorld)ブログパーツが人気を呼んでいる。ブログパーツとは、日本では注目を集めたUNIQLOCKのような、ブログやWebサイトに貼り付けて使うちょっとした部品で、ウィジェットとも呼ばれる。しかし中には、無料配布するブログパーツに自分のサイトへのリンクを忍ばせておいて、SEO目的に利用するサイト管理者も存在する。アクセス解析や訪問者カウンターにnoscriptタグで隠しリンクを設置するのと同類の手法だ。
WebmasterWorldのフォーラム管理者tedsterによれば、ユーザーに開示することなくブログパーツにリンクを仕込んでいることが検索エンジンの中の人に知られた場合、ペナルティを受ける可能性があるとのこと。別のスレッドでも、同様のことをコメントしている。ユーザーと検索エンジンをだます行為には慎重になったほうがいいだろう。
しかし、Matt Cutts氏の言うように役立つウィジェットであるならば、リンク獲得に利用できていたのです。
ところが、Matt Cutts氏の最新の発言によれば、Googleはウィジェットベイトに対するスタンスを変えてきたようです。
しかも、ネガティブな方向にです。
記事トップに貼り付けたビデオは、先日のSESサンノゼで録画されたインタビューです。
要点をまとめると次のようになります。
2008年はウィジェットベイトが最高潮に達したものの、最近は下降気味にある。
どのくらい有益で、どのくらい利用されているか、ユーザーが気付くことなくキーワードやリンクが埋め込まれていないか、こういったことを判断材料にしていた。
ただ、今はどちらかというとウィジェットベイトには、否定的なスタンスを取りつつある。
良質なウィジェットだとして、ユーザーが自発的にリンクを張るなら、いわゆるエディトリアルリンクが集まるなら、問題はないだろう。
しかし、ユーザーに開示していたとしても、HTMLコードを張っただけでリンクが集まるのは好ましくない。
ブログパーツを配布することで、リンク集めを実践しているサイト管理者にとっては、嬉しくないニュースですね。
こちらから仕組むのではなく、あくまでも、利用者の意思でリンクが張られることが重要だということです。
もっとも、これはいつものようにGoogleの“ポーズ”であって、現実問題としてウィジェットベイトはいまだに有効であり、単にGoogleが効果がなくなったと発言することで、ウィジェットベイトをやめさせようしているに過ぎないというコメントがビデオインタビューを公開したブログ記事に寄せられています。