[対象: 中〜上級]
新規に取得したドメイン名が、ほかの誰かに過去に使用されていた経歴があり、そのドメイン名の下で運用されていたサイトがスパム判定を受けていた場合は、以前の所有者時代の履歴をゼロにしてもらうように再審査リクエストから依頼することができました。
しかし、そのリセット依頼を今は送ることができません。
手動対策ビューア導入の影響です。
手動の対策を受けているときだけ再審査リクエストを送信可能
手動対策ビューアの導入に伴って、再審査リクエストを送ることができるのは手動によるウェブ対策を与えられている状況のときだけです。
再審査リクエストページにアクセスすると、手動による対策がサイトに適用されていないかを手動対策ビューアで確認するように促されます。
手動の対策を受けていないと、再審査リクエストを送るボタンが手動対策ビューアには表示されません。
手動の対策を与えられているときには、再審査リクエストを送るボタンが表示されます。
ドメイン名の過去の履歴のリセットを再審査リクエストで依頼
あなたとは無関係な第三者が、あなたが新たに取得したドメイン名を以前に登録していたとします。
以前の所有者がスパム行為を働いていてGoogleにスパム判定を過去に受けていたとしたら、あなたがサイトを公開した時にもそのスパム処置が引き継がれたままのケースがあります。
こんなケースでは、ドメイン名の所有者がまったく別の人に変わったことを再審査リクエストを通じて伝えて、過去の履歴をリセットしてもらうように頼むことができました。
しかし前述したように、手動の対策を受けていない限りは再審査リクエストを送ることが現状ではできません。
過去の悪しき歴史はどうやったら抹消してもらえるのでしょうか?
手動の対策が継続している場合
以前の所有者時代に与えられた手動対策が、新たな所有者、つまりあなたの下でも継続している場合は、手動対策ビューアに出てきます。
自分のやったことではないにしても手動による対策が与えられた状態なので、再審査リクエストを送れます。
ドメイン名の所有者がスパマーとは無関係な自分に変わったことを伝えればいいでしょう。
手動の対策の影響を受けていない場合
昔の所有者が過去に怪しげなことをやっていた形跡があったとしても、手動による対策を現在は受けていないのであれば、手動による対策を受けていないことが手動対策ビューアには通知されます。
再審査リクエストを送ることはできません。
というよりも、少なくとも現在は手動対策の影響を受けていないのですから、再審査リクエストを送る必要がないということになります。
GoogleがURLを再クロール・再インデックスする過程でサイトの現状が自動的に処理されます。
昔に行われていたかもしれない違反行為は、あなたの下ではひとりでに消滅していきます。
アルゴリズムによる影響を受けていた場合
過去に手動対策を受けていたとしても継続していないのであれば、心配いりません。
Google側で処理してくれます。
やっかいなのはアルゴリズムによって自動でスパム判定されて、何らかのペナルティを過去に与えられていた場合です。
クローキングや隠しテキストなどコンテンツに関するスパムであれば、あなたが公開した新しいサイトにはもはやそのコンテンツは存在しません。
Googleが、再クロール、再インデックス、再処理するなかで、アルゴリズムが自動的に解除するでしょう。
ところが、たとえばペンギンアップデートのようなアルゴリズムで不自然なリンクが問題になっていた場合は話が変わってきます。
コンテンツのスパムとは違い、サイトの中身が変わっても外部からのリンクは残ったままです。
Googleのアルゴリズムは、不自然リンクであることを依然として自動で認識し続けるかもしれません。
不自然リンクの警告であれば、手動の対策に該当するので再審査リクエストを遅れます。
しかしアルゴリズムが不自然リンクを検出し、ペナルティを受けていたとしたら再審査リクエストを送ることはできません。
今のサイトとは関係がない、昔に張られた問題となるリンクをGoogleは自動的に無効化してくれるとは推測できます。
そうは言っても、ウェブマスターツールのリンクレポートに見覚えがない怪しげなリンクがたくさん出てきているようであれば、リンクの否認ツールで否認をリクエストしておくと安心です。
もし可能であれば、リンクを削除を試みても構いません。
自分にはまったく非はないとしても、元から断つのが最善とも言えます。
まとめ
ということで、以前のドメイン名がスパム判定を受けていた場合の対応をまとめると次のようになります。
- 過去の履歴のリセットを再審査リクエストから依頼することはできなくなった
- 過去の履歴をなくすようにGoogleは自動で処理しようとする
- 手動の対策を今でも引きずっている場合は手動対策ビューアに出てくるので、再審査リクエストを送ることができる
- 不自然リンクが問題でアルゴリズムが自動でスパム判定していた形跡が認められれば、リンクの否認ツールを使う
なおこの記事で書いた情報は、Google+のハングアウトでGoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏から僕が直接聞いたとことと、同じくJohn Mueller氏の公式ヘルプフォーラムでの書き込みをまとめたものです。