特定の国のGoogle検索結果にサイトを表示させないようにする設定はSearch Consoleにはなし

[レベル: 上級]

「インドの Google 検索結果には表示させたくない」のように、特定の国の検索結果にだけサイトを表示させないようにする機能や設定を Google は提供していません。

また IP アドレスに基づいて、特定の国のユーザーのアクセスを遮断することは技術的には可能ですが、検索の視点からは推奨されません。

特定の国からの検索トラフィックを防ぎたい

英語版のウェブマスター向けヘルプフォーラムで次のような質問が投稿されました。

インドからのモバイル検索トラフィックが非常に増えた。インドはマーケット対象ではないので利益に繋がらない。

Search Console のインターナショナルターゲティングでは1つの国なら対象にできるが、複数の国を対象にできない。カナダやオーストラリア、ヨーロッパの国は構わない。インドからのアクセスだけを防ぎたいのだが、どうすればいいか?

Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏はこのようにコメントしました。

Google 検索で、特定の国の検索結果に出ないようにするための設定は Search Console にはないし、他の方法もない。

たとえば IP アドレスの一定範囲をブロックすることで、特定の国からのユーザーをサーバー側で拒否できる。だが一般的に言って、このやり方は推奨しない。誤って、あまりにも多くのユーザーを拒否してしまう可能性があるからだ。

もう1つ気をつけることがある。それは、うっかり Googlebot も拒否してしまうかもしれないことだ。サイトがクロールもインデックスもまったくされなくなってしまう。

特定の国からのアクセスのブロックは Search Console では設定不可

Search Console のインターナショナル ターゲティングを構成すると、対象としている国を Google に伝えることができます。

Search Console のインターナショナルターゲティング設定

ただし、どれか1つの国だけしか設定できません。
複数の国を同時に選択することはできません。

また、インターナショナルターゲティングとは逆の「特定の国を対象にしない」、つまり特定の国の Google 検索には表示させないという機能は Search Console では提供されていません。
Search Console 以外でもそういった設定は存在しません。

IP ブロックは非推奨

Google の機能では無理ですが、IP アドレスの範囲を定めて特定の国や地域からのアクセスをサーバー側の設定で拒否することは可能です。

しかし、意図しないユーザーのアクセスもブロックしてしまう可能性があります。

特に問題になるのは、Googlebot のアクセスまでブロックしてしまうことです。
地域分散クロールの仕組みを使って、世界の複数の国の IP アドレスから Googlebot がアクセスを試みることがありますが、基本的には米国から Googlebot はアクセスしてきます。

海外からのアクセスや米国からのアクセスを完全に遮断してしまうと、すべての国の Google 検索から消えてしまうでしょう。

したがって IP アドレスでのアクセス拒否は慎重に利用する必要があります。

「特定の国の Google 検索には表示させない」という要望を実現することは現状では無理と言ってよさそうです。