検索エンジンが求めているのは“付加価値”、オリジナルなだけでは足りない。

[対象: 全員]

GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏に対して行ったインタビューをStone Temple ConsultingのEric Enge(エリック・エンゲ)氏が公開しました。

貴重な情報をたくさん含んでいるなかから、“価値のあるオリジナル”なコンテンツの考え方についての応答を紹介します。
他の店舗と同じ商品を取り扱うECサイトや多数の場所に店舗を展開する店舗ビジネスに役立つでしょう。。

Q (Eric Enge): 60の都市に店舗を持つピザ屋の例について話してみたい。サイトを作るとしたらそれぞれの都市ごとにページを作らなければならないが?

A (Matt Cutts): ここで面倒なのはまったく同じコンテンツでそれぞれのページを埋めてしまうことだ。「私たちの手作りピザは50年以上前と変わらない製法で愛情を込めて作られています……」、同じ情報を伝える6、7個の段落をこんなふうに繰り返すだけ。必要なものではない。サイトのトップページのどこかに置くなら良い情報かもしれないが、すべてのページで繰り返すのがいいようには見えない。サイト内の複数のページでこの文章をユーザーが見ても気に入りはしないだろう。

Q: シカゴ店のページに検索エンジンからユーザーが着地してそのページが唯一見られたページだったとしたら、そのページを最高の出来にしたい(からすべてのページに同じ文面を載せる)とサイト管理者は反論しないだろうか? シカゴ店のページに着地したユーザーがオースティン店のページにも行くとは思えない。

A: それでも大量のコンテンツを何度も何度も繰り返すのはいい考えではない。

Q: それなら何をページに掲載すべきなのか?

A: 所在地や連絡方法に加えて、その場所の固有なことについての文を2つ3つ書けばいいだろう。

Q: それだけだと薄っぺらいコンテンツとして見られないだろうか?

A: いや、そういうのであれば大丈夫だ。

似たような状況に関してあるライターから最近質問を受けた。ウェブサイトを所有する複数のスポーツジムにシリーズものの記事を彼は提供していた。同じコンテンツを別のジムに提供する場合、その数に限度はあるのかどうかを知りたがっていた。ただし顧客に対する検索という観点から見て役立つものにするという前提だ。たとえばいろいろな方法で書き直し続けるのは有益だろうかと彼は考えていた。

カエルのサイトの例に戻ることになる(鈴木注: 「カエルのサイト」は後述します)。付加価値が消え去ってしまう。小さな街にある4つのジムが全部まったく同じアドバイスをしている状況を想像してみてほしい。検索エンジンがどう思うかを考える前に、その4つ場所にあるジムの違いをユーザーは理解できないだろう。コンテンツを読んだ後に「このなかからどれを選んだらいいんだろう?」と思うはずだ。同じように、検索エンジンにとっても選ぶことは難しい。

人々がその製品やサービスを試して自分が考えたことを確かめたいと思うように、他と差別化して際立つ手段を見つけなければならない。試したいと思うときには、他と比べて飛び抜けて素晴らしいものを提供して自分に顧客を獲得しなければならない。

途中で出てきた「カエルのサイト」を説明します。

「カエル」で検索した検索結果に出てきた1位のページには次のようなことが書かれていたとします。

カエルの情報:

カエルは緑色です。
カエルは水辺に住んでいます。
カエルは飛び跳ねるのが好きです。
カエルはヒキガエルとは違います。

カエルに関する記事を読んでくれてありがとうございました。

上の情報に満足せず2位の結果をクリックしたら今度は次のようなコンテンツでした。

緑色のせいもあってカエルは面白い生き物です。カエルがヒキガエルではないことを多くの人は知りません。カエルは飛び跳ねるのが好きで水中で生活します。

2位のページは1位のページの重複ではありません。
どちらもオリジナルといえばオリジナルです。

ですがともになんら別の価値のある情報を与えていません。

こんなページが3位にも4位にもあったらどうでしょうか?

「カエル」について調べている検索ユーザーの要望を満たせるでしょうか?

オリジナルであったとしてもどこにでもあるだれでも知っている情報で新しい発見はまったくありません。

必要なのは「付加価値」だとMatt Cutts氏は述べています。

オリジナルであることは大前提で、他のサイト・ページにはない価値ある独自の情報がユーザーが求めている情報になります。
ユーザーが求めているということは検索エンジンが求めているということにもなります。

さて、インタビューの内容に戻ります。

仕入商品で他の店と同じ商品を売っている場合や、複数の場所に店舗を構えるリアルビジネスでは、サイト内外でまったく同じコンテンツを使い回すケースが目立ちます。
目立つというよりそんなサイトばかりですね。

メーカーが提供した説明文をコピペするだけとか、よくて地名や駅名を入れ替えるだけです。

他のページ、他のサイトと何も変わりません。

決め手がないならネットショップであれば単純に安いところで買う人も多いはずです。

検索エンジンにとっても、他と違わないなら上位に出す理由がありません。

そしてオリジナルなだけでは不十分です。

インタビューのなかの例に出てきたライターは同じ記事を書き換えると言っていました。
書き換えても書かれていることは結局変わりません。

カエルのサイトの例も同様でした。
コピーコンテンツではないけれど言ってることは同じでしかもどこでも手に入る情報でした。

オリジナルでかつそこでしか得られない“付加価値”のある情報があなたのサイトには必要です。

付加価値があれば2、3個の文でも十分だとMatt Cutts氏は言っていました。

2、3個で絶対に足りるということではなくあくまでも目安として出した数字でしょうが、これくらいなら重要な商品、店舗を最優先して少しずつ付け足していけるのではないでしょうか。

1,000ページ、2,000ページ、10,000ページにオリジナルかつ付加価値のあるコンテンツをたくさん追加するのは大変です。

でも1ページでも2ページでもいいから稼ぎ頭のページを皮切りにオリジナルかつ付加価値のあるコンテンツ作成に今日から手をつけてみましょう。